この作品に限らず事前情報一切なしでいつもやるので、物語の展開には驚きました。
てっきりヒロイン毎に日常が失ってしまう何かが起きて
それを回避していく作品とばかり思っていたので。
佳織が事故、愛理が眠り病、凪沙が幽霊騒動、ゆいが生体の維持。という具合に。
声優さんも豪華で新鮮でした。
・青山ゆかりさん
大人しめの声はマジスキのニースに次いで2作目。
・民安ともえさん
聞き慣れているのがアホの子率が多いので
お姉さんキャラは新鮮でした(マジスキの冬子とも違い)
・有栖川みやびさん
実は等身大の学生を聞くのは初めて。
ensembleの千鶴も学生ですがどこか違うので?
・かわしまりのさん
カッコイイ!優しさの中に強い感じの声はさすが。
久しぶりに学生での声を聞けたのも良かったです。
・山口勝平さん、語るまでもなく。さすがの一言。
個別の感想
佳織
この物語の始まりで、一番報われない女性。
「失われた未来を求めて」の当事者の1人にも関わらず
全体を通して印象が薄いのが残念。
まぁ天文学会という個性派の集まりの中では仕方がないのかな?
あと、主人公と同居に近い設定なのに、それをあまり活かしていないのも勿体無い。
ゆいルートと同様とまではいかないにしても、もう少し長めにするべきだったかと。
(二人の付かず離れずの距離感を演出するためだと思いますが)
Anotherで佳織が助かったときは体に入った力が抜けました。
文化祭を二人で楽しんでいる姿にはホッとする。
愛理
天文学会の表の顔で、活発で体育系な女の子でありながら
学園きっての才女という従来の学園ものから見ても異色のキャラ。
未来の愛理、現在の愛理という立場でアドバイザーも兼ねている。
最初は佳織に遠慮して主人公の想いを受け入れないが
徐々に受け入れるように。
自分と佳織、主人公の関係で葛藤しているところは良くできていたと思う。
デート時の愛理は凄く可愛かった。髪を下ろした愛理もかわいい。
凪沙
天文学会の裏の顔で(良い意味で)部全体をまとめ
独自の感性と鋭さで有無を言わせない迫力も兼ね揃えているお姉さん。
恋愛に拘りを持っているなど一番女の子らしい女の子。
デートの待ち合わせをやり直させるとか斬新すぎる!
実はお嬢様(これには驚きました)
ここに来て、それまでの2ルートと少し感じの違ったシナリオ。
いい意味でアクセントになっていたと思う。
定番の執事との決闘や見合い相手とのやり取りなど
「学園ものイベント」といったものがあり息抜きシナリオとしては良かった。
初対面の未来から来た愛理に食らい付き、自分のテリトリーに
引きずり込み、洗いざらい吐かせてやろう。の場面は一番地が出ていてよかった。
お風呂での生殺しはひどい…
ゆい
佳織を繋ぎ止めておくために生み出された存在。
佳織が助かると存在する意味(未来)が無くなり消滅してしまう。
(ゆい自身が各ルートで微妙に違っている)
ゆいと恋仲になった後の展開はグッとくる。
展望台で別れてから再びゆいの前に再び戻って来て(同じゆいではないですが)
今度こそ前回の失敗を教訓にゆいと2人で佳織を救うことを誓い
一緒にいられる限られた中で互い想い合いすごす日々。
Y.U.I.S.
ゆい視点で物語が進んでいく展開。
物語の最初、ゆいと主人公の出会いを、ゆいに置き換えることで
謎だった主人公に対する想いが解き明かされる。
ゆいの事が好きな人なら相乗して胸に来ますね。
ここに来てゆい視点に切り替え、ゆいにも感情移入させる演出にはやられました。
主人公、ゆい共に感情移入で俄然物語にのめり込んでいく…にくいぜ。
好きな人が目の前にいるのに触れられない、思いをぶつけられない。
会いたい人に会えたのにどうにもできないジレンマ。
そしてなにより好きな人が見ているのは自分ではなく佳織。
そんな中、愛理がゆいのやろうとしている行動に何となく気付くんですよね。
(初回の、事故に対しての愛理の嘆きはこういうことだったんですね)
ゆいが挫けなかった要素は勿論主人公なんですが、過去に戻って不安な中
愛理という理解者を得られたのも大きいいかと。
そして様々な想いを胸にしまい、ただ主人公との約束を守るために奔走。
事故を回避し自らも重症を負いながら最後に愛しい人を思い出し消えていく。
Y.U.I.S.ルート1回目は一番切ない終わり方ですね。
2回目は(1回目と変わり主人公の佳織に対しての想いはそれ程でもない
選択肢で変わるんですが)
1回目と同様進んでいき、因果のズレに気付き
事故の原因が無人のクレーン車が倒れることによるもの。と突き止め
クレーンに近づき怪我を負いながらも止める。
(ここでビックリしましたね。選択ミスったかと思った)
ここから今度は、主人公に対する想いを知った主人公が
ゆいを取り戻すために天文学会のメンバーと奔走。
ラストの皆に囲まれながら、ゆいが目覚めるシーンで久しぶりに泣きました。
最後に
全体を通して言えるんですが、何か物足りない。
かといってAnotherで各ヒロイン(佳織が助かる場合)の話を長く続けてしまうと
趣旨から外れて別の作品になってしまうし
なによりも物語に対しての集中力や続きをやる。という
モチベーションも下がってしまい、途中でやめてしまう原因になる。
グダグダ書きましたが早い話しがFD出してもらって
続きのイチャイチャ成分を補給したい。ということです。
あと、明確に語られていませんが各Anotherでの佳織事故回避は
全てゆい自身が行動して回避しているのかな?(見落としてるかも)
失敗の場合は(一部除き)未来に帰還しスリープモードになるのは
分かっていることですが。
Y.U.I.S.ルートで統合され消え行く未来から来た愛理
主人公のことが好きだから身を引き、ゆいを誕生させるために
統合される道を選ぶ。あのやり取りは切ない。
作中の中で、ひょっとしたら一番主人公のことが好きなのは愛理なのかも。
なにもないんだよもん